この記事は「#AGAのウソホント」シリーズの第26回です。 よくある薄毛の疑問を、診療ガイドラインや研究、公的機関の情報を参考に、できるだけわかりやすく解説しています。
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。参考文献・参考情報は最後にまとめて掲載しています。
「髭が濃い人はハゲやすい」
こんな話を聞いたことはありませんか。
髭が濃い→男性ホルモンが多い→男性ホルモンが多い人はハゲやすい、と考えてしまいがちですが、髭が濃いからといって、それだけでハゲやすいとは言えません。
では、なぜ「髭が濃い人はハゲる」と言われるのでしょうか。
この記事では、髭の濃さと薄毛の関係、男性ホルモンとの関係、AGAとの関係をわかりやすく解説します。
結論|髭が濃い=ハゲやすい、ではない

最初に結論を明確にしておきましょう。
髭の濃さだけで薄毛になるかは決まらない
髭が濃い人でも髪がフサフサの人はいますし、髭が薄くても薄毛になる人もいます。髭の濃さだけを見て、将来ハゲるかどうかを判断することはできません。
ただし「髭」と「髪」は男性ホルモンの影響を受ける
とはいえ、「まったく関係ない」と言い切れるわけでもありません。髭と髪は、どちらも男性ホルモンの影響を受けますが、同じように反応するわけではありません。詳しくは次の章で解説します。
なぜ「髭が濃い人はハゲる」と言われるの?

ここが今回の記事の重要なパートです。
「男性ホルモンが多いから」というイメージがある
髭が濃い→男性ホルモンが多そう→AGAになりやすそう、というイメージが広まっていることが、「髭が濃い人はハゲる」と言われる背景にあると考えられます。
髭と髪では、同じ男性ホルモンでも反応が違う
ここが今回の記事の核心です。
髭や体毛の毛根は、男性ホルモンの刺激を受けると毛を太く・長く成長させる方向に働くとされています。
一方、AGAで影響を受ける前頭部や頭頂部の髪の毛根は、同じ男性ホルモンの刺激に対して逆の反応を示し、毛が徐々に細くなったり、毛が生えている期間が短くなったりする方向に働くことがあるとされています。
つまり、同じホルモンでも、体の部位によって毛根の受け止め方がまったく逆になっているのです。
「同じホルモンなのに、なぜ逆のことが起こるの?」と不思議に思うかもしれませんが、これは毛根の細胞がもともと持っている性質の違いによるものと考えられています。
髭が濃い人は男性ホルモンが多いの?

髭の濃さだけで男性ホルモンの量は判断できない
髭の濃さには個人差があり、毛根側の受け取り方にも違いがあります。
遺伝なども関係するため、「髭が濃い=男性ホルモンが多い」と単純には考えられません。
血液中の男性ホルモンの量が同じくらいでも、毛根がその刺激をどれだけ強く受け止めるかは人によって異なるとされています。
髭の濃さには体質や遺伝なども関係する
髭の濃さを決める要素は一つではありません。
生まれ持った体質や遺伝、毛根の感受性など、さまざまな要素が組み合わさって、その人の髭の濃さが決まっていると考えられています。
髭が濃くてもハゲない人がいるのはなぜ?

読者が納得しやすい具体例で見ていきましょう。
髪の毛は男性ホルモンだけで決まらない
薄毛には、遺伝、男性ホルモンの働き、毛根側の反応、年齢、そのほかの要因など、複数の要素が関係しています。
男性ホルモンの量や働き方だけで、薄毛になるかどうかがすべて決まるわけではありません。
「髭が濃い」という一点だけでは判断できない
髭が濃いというのは、あくまで体の一部分の特徴にすぎません。髭の濃さという一つの情報だけで、将来薄毛になるかどうかを予測することはできないのです。
AGAと髭の濃さには関係がある?

AGAと髭はどちらも男性ホルモンの影響を受ける
AGAも髭も、男性ホルモンの影響を受けるという点では共通しています。
この共通点が、「AGAになる人は髭も濃くなるのでは」というイメージにつながっていると考えられます。
AGAだから髭が濃くなるとは限らない
ただし、AGAと髭の濃さを単純に結びつけることはできません。
AGAが進行しているからといって、必ず髭が濃くなるわけではなく、逆に髭が濃いからといってAGAが進行しているとも限りません。
髭が濃い人は将来ハゲる?チェックするなら髪を見る

ここからは実用的な話です。「髭を見て心配する」のではなく、髪そのものを見ることが大切です。
生え際が以前より後退していないか
以前と比べて、生え際の位置が変わってきていないか確認してみましょう。
頭頂部の地肌が目立っていないか
鏡や写真で、頭頂部の地肌の見え方に変化がないかチェックしてみましょう。
髪が以前より細くなっていないか
髪の太さの変化も、見逃したくないポイントです。
抜け毛が以前より増えていないか
抜け毛の量そのものよりも、以前と比べて増えたかどうかという変化に注目しましょう。
薄毛が気になるなら、「髭の濃さ」よりも「髪の変化」を確認することが大切です。
髭が濃い人は髭脱毛とAGA治療を同時にできる?

髭脱毛とAGA治療は別の悩み
髭脱毛とAGA治療は、それぞれ別の目的で行う施術・治療です。
髭脱毛をしているからAGA治療ができない、というものではありません。
治療・施術を受ける場合は、それぞれの医療機関に確認する
髭脱毛とAGA治療は別々の施術・治療になるため、同時に検討すること自体は可能です。
ただし、使用している薬や施術内容によっては確認が必要な場合があるため、自己判断せず、それぞれの医療機関に相談しましょう。
髭が濃い人が薄毛について気になったらどうする?

まず髪の変化をチェック
「髭が濃いから」と心配する前に、まずは髪そのものの変化を確認してみましょう。
過去の写真と比べてみる
同じ角度・同じ明るさで撮った過去の写真と見比べると、生え際や頭頂部の変化に気づきやすくなります。
気になる変化が続くなら専門家に相談する
「髭が濃いから」という理由だけで心配しすぎる必要はありません。
ただし、生え際の後退や髪の変化が実際に続いている場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、皮膚科やAGAを診療する医療機関に相談することも一つの選択肢です。
早めに専門医へ相談したい方へ AGAは進行性の脱毛症であるため、気になるサインがあれば早めに専門クリニックへ相談することが大切です。最近では、通院の手間が少ないオンライン診療を選ぶ方も増えています。料金や特徴を比較しながら検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
髭が濃い人はハゲる?よくある質問
まとめ|髭が濃いからといってハゲやすいとは限らない
この記事のポイントを整理します。
- 髭が濃い=ハゲやすい、とは言えない
- 髭と髪は男性ホルモンの影響を受けるが、反応は同じではない
- 髭の濃さだけでAGAかどうかは判断できない
- 薄毛が気になるなら、髭ではなく髪そのものの変化を見る
「髭が濃いから将来ハゲるかも……」と心配しているなら、まずは髪の変化をチェックしてみましょう。髭の濃さだけで判断する必要はありません。
「#AGAのウソホント」シリーズでは、このほかにも身近な薄毛の疑問について解説しています。あわせてご覧ください。
👨💼 40代サラリーマンのAGA治療体験記ブログまとめ
私のAGA治療の全記録は以下のブログでまとめています。これから治療を始める方はぜひ順に読んで参考にしてください。
参考文献・参考情報
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- Randall, V. A., Thornton, M. J., Hamada, K., et al. (2000). The Hair Follicle: A Paradoxical Androgen Target Organ. Hormone Research, 54(5-6), 243–250.
- Randall, V. A. (2008). Androgens and hair growth. Dermatologic Therapy, 21(5), 314–328.
- Inui, S., & Itami, S. (2013). Androgen actions on the human hair follicle: perspectives. Experimental Dermatology, 22(3), 168–171.
- Thornton, M. J., et al. (1993). Differences in testosterone metabolism by beard and scalp hair follicle dermal papilla cells. Clinical Endocrinology, 39(6), 633–639.
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。個別の症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

