この記事は「#AGAのウソホント」シリーズの第19回です。 よくある薄毛の疑問を、診療ガイドラインや研究、公的機関の情報を参考に、できるだけわかりやすく解説しています。
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。参考文献・参考情報は最後にまとめて掲載しています。
「お風呂上がりに髪を自然乾燥させるとハゲる」
こんな話を聞いたことはありませんか?
一方で、「ドライヤーの熱も髪に悪そう……」と考える人もいるでしょう。
では、自然乾燥とドライヤー、一体どちらが髪にいいのでしょうか?
結論から言うと、髪を自然乾燥させること自体がAGAを引き起こしてハゲる、とはいえません。
ただし、濡れた髪は乾いた髪よりも傷みやすく、濡れた状態で強くこすったりブラッシングしたりすると、切れ毛などにつながる可能性があります。
- 自然乾燥すると本当にハゲるのか
- 自然乾燥とAGAの関係
- 濡れた髪が傷みやすい理由
- ドライヤーと自然乾燥はどちらがいいのか
- 髪を傷めにくい乾かし方
結論|自然乾燥しただけでハゲるとはいえない

自然乾燥=AGAになる、という根拠はない
AGAの主な原因は、男性ホルモンの働きや遺伝的な体質であるとされています。日本皮膚科学会の診療ガイドラインにも、自然乾燥がAGAを引き起こす原因として記載されているわけではなく、「自然乾燥するとAGAになる」という直接の関係は確認されていません。
「ハゲる」と「髪が傷む」は別の話
ここで押さえておきたいのが、AGAによる薄毛と、髪が傷んで切れてしまうことは、まったくの別問題だという点です。
髪が傷んで途中で切れることと、髪の根元(毛根)が弱ってAGAが進行することは、原因も仕組みも異なります。「髪が傷みやすい」という話と、「AGAになる」という話を混同しないことが、この記事のポイントです。
なぜ「自然乾燥するとハゲる」と言われるの?

自然乾燥とハゲが結びつけて語られる背景には、いくつかの理由が考えられます。
濡れた髪はダメージを受けやすい
米国皮膚科学会は、濡れた髪は乾いた髪よりも傷みやすく、特にブラッシングなどの扱い方によっては切れやすいと案内しています。「濡れた髪は傷みやすい」という事実が、いつのまにか「自然乾燥するとハゲる」という噂に変わっていった可能性があります。
濡れたまま寝ることも髪への負担になる?
面倒でお風呂上がりに髪を乾かさないまま寝てしまう、という人もいるかもしれません。
「濡れたまま寝るとハゲる」と言い切れるわけではありませんが、枕とこすれて髪が絡まりやすくなったり、濡れた髪を長時間こすり続けたりすることは、髪にとって負担になると考えられます。
また、髪が濡れたまま枕と長時間触れ続けると、蒸れた環境になりやすいとも言われています。習慣として続けるのは避けたいところです。
自然乾燥とドライヤー、どちらが髪に悪い?

ここが今回の記事でいちばんお伝えしたいポイントです。
ドライヤーは使い方次第で髪を傷める
ドライヤーを高温のまま、髪に近づけすぎたり、同じ場所に長く当て続けたりすると、髪の表面が傷みやすくなります。ある研究では、ドライヤーの温度が高くなるほど、髪の表面のダメージが増えることが確認されています。
自然乾燥なら絶対にダメージゼロ、でもない
一方で、「自然乾燥なら髪に優しい」と思われがちですが、実はそうとも言い切れません。
同じ研究では、自然乾燥させたグループにも、ドライヤーを使ったグループには見られない別のダメージが確認されており、髪から適度に離してこまめに動かしながらドライヤーを使う方が、自然乾燥よりも髪への負担が少なかったという結果が出ています。
つまり、「自然乾燥=絶対に髪に優しい」とは言い切れないのです。
重要なのは「乾かし方」
自然乾燥かドライヤーか、という二択で考えるよりも、「どう乾かすか」の方が大切だと考えられます。
米国皮膚科学会も、自然乾燥を選択肢の一つとして挙げながら、濡れた髪をできるだけ優しく扱うことや、ドライヤーを使う場合は温度を上げすぎないことを勧めています。
髪を傷めにくい乾かし方5つ

ここからは、実際に意識したいポイントを紹介します。
①タオルでゴシゴシこすらない
濡れた髪をタオルで強くこすると、摩擦で髪が傷む原因になります。タオルで髪を挟むようにして、水分をやさしく吸い取りましょう。米国皮膚科学会も、ゴシゴシこするのではなく、タオルで水分を吸収させる方法を勧めています。
②濡れた状態で強くブラッシングしない
濡れている髪は乾いている髪よりも切れやすいため、ブラッシングはできるだけ優しく行いましょう。もつれがひどい場合は、毛先から少しずつとかしていくのがおすすめです。
③ドライヤーは高温・近距離を避ける
ドライヤーを使う場合は、髪から適度に離す、同じ場所に当て続けない、温度を上げすぎない、という3点を意識しましょう。
④根元を中心に乾かす
頭皮や髪の根元をしっかり乾かし、毛先には必要以上に熱を当て続けないようにしましょう。
なお、根元を乾かすこと自体がAGAを防ぐわけではなく、あくまで髪を傷めにくくするための工夫です。
⑤完全に濡れたまま放置しない
自然乾燥がすべてダメというわけではありません。
ただし、髪が濡れたままの状態を長時間続けるよりも、タオルで水分をしっかり取ってから、必要に応じてドライヤーも使う、という方法がおすすめです。
自然乾燥すると抜け毛が増える?

「自然乾燥をしていたら抜け毛が増えた気がする」という声もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
髪が抜けることと、髪が切れることは違う
まず整理しておきたいのが、髪が毛根から抜けることと、髪の途中で切れることは別の現象だという点です。
自然乾燥によって髪がダメージを受けて切れやすくなることはあっても、それがそのまま「毛根から抜ける抜け毛が増えた」ことを意味するわけではありません。
切れ毛が増えると、見た目のボリュームが減ったように感じて、抜け毛が増えたと錯覚しやすくなることもあります。
自然乾燥だけでAGAの抜け毛が増えるとはいえない
「自然乾燥をしていたからAGAが進行した」と単純に考えることはできません。抜け毛が続いて増えている場合に、どう考えればよいかについては、後ほど「AGAが気になるなら『乾かし方』だけを気にしすぎない」の章で詳しく解説します。
自然乾燥するとハゲる?よくある質問
AGAが気になるなら「乾かし方」だけを気にしすぎない

ここまで、自然乾燥やドライヤーによる髪への影響について解説してきましたが、乾かし方の見直しだけで抜け毛・薄毛の悩みがすべて解決するとは限りません。
生え際や頭頂部が徐々に薄くなっているなら要注意
生え際が後退している、頭頂部の髪が薄くなってきた、といった変化が見られる場合は、乾かし方だけでは説明できない可能性があります。
AGAは、時間をかけて少しずつ進行していく脱毛症です。乾かし方を見直しても、こうした変化が続いているなら、AGAなど他の原因も考えておく必要があります。
抜け毛・薄毛が続くなら専門家に相談する
「乾かし方が悪かっただけだろう」と自己判断で様子を見続けるのではなく、抜け毛や薄毛が長期間続いている場合は、皮膚科やAGAを診療する医療機関に相談することをおすすめします。
米国皮膚科学会も、気になる抜け毛については皮膚科医に相談することを勧めています。乾かし方を見直すことと、AGAかどうかを確認することは、どちらも並行して行って問題ありません。
早めに専門医へ相談したい方へ AGAは進行性の脱毛症であるため、気になるサインがあれば早めに専門クリニックへ相談することが大切です。最近では、通院の手間が少ないオンライン診療を選ぶ方も増えています。料金や特徴を比較しながら検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ|自然乾燥=ハゲるではない!髪を優しく乾かそう
この記事のポイントを整理します。
- 自然乾燥しただけでAGAになるとはいえない
- 「ハゲる」と「髪が傷む」は別問題
- 濡れた髪は切れやすいため、優しく扱う
- 自然乾燥も選択肢の一つ
- ドライヤーは高温・近距離・長時間を避ける
- 薄毛が進行しているなら、乾かし方だけを原因と決めつけない
「#AGAのウソホント」シリーズでは、このほかにも身近な薄毛の疑問について解説しています。あわせてご覧ください。
👨💼 40代サラリーマンのAGA治療体験記ブログまとめ
私のAGA治療の全記録は以下のブログでまとめています。これから治療を始める方はぜひ順に読んで参考にしてください。
参考文献・参考情報
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- Lee, Y., Kim, Y-D., Hyun, H-J., Pi, L-q., Jin, X., & Lee, W-S. (2011). Hair Shaft Damage from Heat and Drying Time of Hair Dryer. Annals of Dermatology, 23(4), 455–462.
- American Academy of Dermatology「10 hair care habits that can damage your hair」
- Cleveland Clinic「Can Wet Hair Actually Make You Sick?」
- Breakspear, S., et al. (2024). Chemical bonds and hair behaviour—A review. International Journal of Cosmetic Science, 46, 806–814.
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。個別の症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

