この記事は「#AGAのウソホント」シリーズの第12回です。 よくある薄毛の疑問を、診療ガイドラインや研究、公的機関の情報を参考に、できるだけわかりやすく解説しています。
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。参考文献・参考情報は最後にまとめて掲載しています。
「ヘアカラーをするとハゲるって本当?」
「カラー剤は毛根に悪いの?」
「AGAが気になるけどカラーしても大丈夫?」
このような疑問を持つ方は多いでしょう。
結論から言うと、ヘアカラーだけでAGAや薄毛になるという科学的な根拠は確認されていません。
ただし、カラー剤は髪や頭皮に一定の負担をかけるため、施術方法やアフターケアには注意が必要です。この記事では、ヘアカラーと薄毛の関係について、現在わかっている知見をもとにわかりやすく解説します。
- カラーでハゲるというのは本当か
- なぜ「カラーでハゲる」と言われるのか
- カラーが髪や頭皮に与える影響
- AGAや薄毛が気になる人でもカラーはできるか
- カラー後に髪や頭皮を守るポイント
カラーするとハゲるって本当?【結論】

先に結論をお伝えします。カラーだけでAGAや薄毛になるという科学的な根拠は確認されていません。
ただし、カラー剤は髪や頭皮に一定の負担をかけるため、施術方法やアフターケアに注意が必要であり、その具体的な内容は後の章で詳しく解説します。
なぜ「カラーでハゲる」と言われるの?

カラーとAGAや薄毛を結びつける科学的な根拠がないにもかかわらず、「カラーでハゲる」というイメージが広まっているのはなぜでしょうか。
カラー後に髪が細く見えるため
カラー剤は、アルカリ剤で髪のキューティクルを開かせ、過酸化水素で髪の色素に働きかけることで発色させる仕組みになっています。
そのため、施術後にパサつきやツヤの低下、ボリュームダウンといった変化を感じる方は少なくありません。こうした「髪が細く見える」という体感が、「薄毛が進んでいる」という印象と結びつきやすいと考えられます。
抜け毛と切れ毛を混同している
髪の毛が減ったように感じる原因として、実際には「抜け毛」ではなく「切れ毛」であるケースも少なくありません。
抜け毛は毛根がついた状態で根元から抜け落ちるのに対し、切れ毛は髪の毛の途中で断裂し、毛根がついていないという違いがあります。
カラーによるダメージで切れ毛が増えると、実際にはAGAが進行しているわけではなくても、「髪が減った=薄毛が進んだ」と感じやすくなります。
AGAの進行時期と重なったケース
AGAは年齢とともに進行しやすい脱毛症であり、カラーをする時期とAGAが進行し始める時期がたまたま重なることもあります。
このようなタイミングの偶然が、「カラーをしたから薄毛になった」という思い込みにつながっている場合もあると考えられます。
カラーが髪や頭皮に与える影響

カラーがAGAの直接的な原因になるわけではありませんが、髪や頭皮に一定の影響を与える可能性はあります。
髪への影響
カラー剤はアルカリ剤で髪のキューティクルを持ち上げ、過酸化水素で色素の分解と定着を行う仕組みになっています。ブリーチほど脱色力は強くないものの、同様の化学反応を利用しているため、この過程でキューティクルや内部のタンパク質構造に影響が及び、水分保持力の低下やパサつきが起こりやすくなることが指摘されています。繰り返しカラーを行うことで、こうしたダメージが蓄積することもあります。
頭皮への影響
カラー剤に含まれるパラフェニレンジアミン(PPD)などの成分は、ヘアカラー製品の中でも頻度の高い接触アレルゲンの一つとされ、頭皮に赤みやかゆみなどの一時的な刺激を引き起こすことがあります。
動物実験では、カラー剤に含まれる過酸化水素とアルカリ剤(モノエタノールアミン)が皮膚炎の主要な原因成分である可能性も報告されています。特に肌が敏感な方は、こうした刺激を感じやすいため注意が必要です。
AGAや薄毛が気になる人でもカラーはできる?

AGAや薄毛が気になっている方の中には、「カラーをしても大丈夫なのか」と不安に思う方もいるでしょう。
基本的には可能
カラーそのものがAGAの原因になるという根拠は確認されていないため、AGAや薄毛が気になる方でも、基本的にはカラーを楽しむことができます。ただし、髪や頭皮の状態には個人差があり、施術前に頭皮の状態を確認しておくことが大切です。
美容師へ相談する
施術前に、頭皮の状態や髪のダメージ具合を美容師に伝えておくと、頭皮保護オイルの使用や、薬剤が頭皮に直接つかないように塗布する技法(一般に「ゼロテク」などと呼ばれる方法)など、頭皮への負担を抑えた施術方法を提案してもらえる場合があります。薄毛や抜け毛が気になっていることを事前に伝えておくと安心です。
AGA治療中は注意
頭皮が荒れている場合や、AGA治療薬の影響で体調に変化がある場合は、無理に施術を行わず、まずは医師や美容師に相談することをおすすめします。頭皮に炎症や違和感がある状態でのカラーは、刺激を強く感じやすいため注意しましょう。
カラー後に髪と頭皮を守るポイント

カラーによる髪や頭皮への負担をできるだけ抑えながら、施術を楽しむためのポイントを紹介します。
保湿ケアをする
カラーによって水分保持力が低下した髪は、乾燥やパサつきが起こりやすくなります。トリートメントやヘアオイルなどで保湿ケアを行い、髪の状態を整えることを心がけましょう。
カラー用シャンプーを使う
カラー剤で染めた髪は、通常のシャンプーよりも色落ちしやすく、乾燥しやすい状態になっています。カラーヘア用に作られたシャンプーを使うことで、色持ちと髪のコンディションの両方をケアしやすくなります。
紫外線対策をする
紫外線は、カラー後の髪の色落ちやダメージを進める要因の一つとされています。帽子や日傘、UVケア用のヘアスプレーなどを活用し、紫外線対策を行うことをおすすめします。
カラーの間隔を空ける
カラーを繰り返すほど、髪や頭皮への負担は蓄積しやすくなります。施術の間隔をあけて、髪や頭皮を休ませる期間を設けることを意識しましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ
この記事のポイントを整理します。
- カラーだけでAGAや薄毛になる科学的な根拠は確認されていない
- カラー剤は髪や頭皮への負担になることはある
- 切れ毛と抜け毛は異なるものであり、切れ毛を薄毛と勘違いしているケースもある
- 適切なヘアケアと頭皮ケアでダメージを抑えられる
- 頭皮トラブルが続く場合は美容師や医療機関に相談しよう
「#AGAのウソホント」シリーズでは、このほかにも身近な薄毛の噂について解説しています。あわせてご覧ください。
👨💼 40代サラリーマンのAGA治療体験記ブログまとめ
私のAGA治療の全記録は以下のブログでまとめています。これから治療を始める方はぜひ順に読んで参考にしてください。
参考文献・参考情報
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- Seo, J. A., Bae, I. H., Jang, W. H., Kim, J. H., Bak, S. Y., Han, S. H., & Park, Y. (2012). Hydrogen peroxide and monoethanolamine are the key causative ingredients for hair dye-induced dermatitis and hair loss. Journal of Dermatological Science, 66(1), 12–19.
- DermNet NZ「Paraphenylenediamine and hair dye contact allergy」
- Ishida, W., Makino, T., & Shimizu, T. (2011). Severe Hair Loss of the Scalp due to a Hair Dye Containing Paraphenylenediamine. International Scholarly Research Notices (ISRN Dermatology), 2011, Article 947284.
- American Academy of Dermatology「10 hair care habits that can damage your hair」
※本記事は上記の公的機関・専門機関の情報および研究をもとに執筆しています。個別の症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

