この記事は「#AGAのウソホント」シリーズの第10回です。 よくある薄毛の疑問を、診療ガイドラインや研究、公的機関の情報を参考に、できるだけわかりやすく解説しています。
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。参考文献・参考情報は最後にまとめて掲載しています。
「パーマをかけるとハゲるって本当?」
「髪が傷むなら薄毛も進行するの?」
「AGAが気になるけどパーマをかけても大丈夫?」
このような疑問を持つ方は多いでしょう。
結論から言うと、パーマそのものがAGAや薄毛の原因になるという科学的な根拠は確認されていません。
ただし、薬剤や施術方法によっては髪や頭皮に負担がかかることもあります。この記事では、パーマと薄毛の関係について、現在わかっている知見をもとにわかりやすく解説します。
この記事では、次のことがわかります。
- パーマでハゲるというのは本当か
- なぜ「パーマでハゲる」と言われるのか
- パーマが髪や頭皮に与える影響
- AGAや薄毛が気になる人でもパーマはできるか
- 髪や頭皮を守りながらパーマを楽しむポイント
パーマするとハゲるって本当?【結論】

先に結論をお伝えします。パーマだけでAGAや薄毛になるという科学的な根拠は確認されていません。
ただし、薬剤や熱を使う施術によって髪や頭皮に負担がかかることはあり、その具体的な内容は後の章で詳しく解説します。
なぜ「パーマでハゲる」と言われるの?

パーマとAGAや薄毛を結びつける科学的な根拠がないにもかかわらず、「パーマでハゲる」というイメージが広まっているのはなぜでしょうか。
パーマ後に髪が傷んで見えるため
パーマの薬剤や施術は、髪の内部構造に働きかけてカールを形成する仕組みになっています。そのため、施術後に切れ毛やパサつき、ボリュームダウンといった変化を感じる方は少なくありません。こうした「髪が傷んで見える」という体感が、「薄毛が進んでいる」という印象と結びつきやすいと考えられます。
抜け毛と切れ毛を勘違いしている
髪の毛が減ったように感じる原因として、実際には「抜け毛」ではなく「切れ毛」であるケースも少なくありません。抜け毛は毛根がついた状態で根元から抜け落ちるのに対し、切れ毛は髪の毛の途中で断裂し、毛根がついていないという違いがあります。パーマによるダメージで切れ毛が増えると、実際にはAGAが進行しているわけではなくても、「髪が減った=薄毛が進んだ」と感じやすくなります。
AGAの進行時期と重なる場合がある
AGAは年齢とともに進行しやすい脱毛症であり、パーマをかける時期とAGAが進行し始める時期がたまたま重なることもあります。このようなタイミングの偶然が、「パーマをかけたから薄毛になった」という思い込みにつながっている場合もあると考えられます。
パーマは髪や頭皮にどんな影響がある?

パーマがAGAの直接的な原因になるわけではありませんが、髪や頭皮に一定の影響を与える可能性はあります。
髪への影響
パーマ液の主成分であるチオグリコール酸系の薬剤は、髪の内部にあるタンパク質の結合を一度切断し、カールの形に整えたあとで結合し直すことでウェーブを形成します。この化学反応の過程で、髪表面のキューティクルや内部のコルテックス(皮質)のタンパク質構造に影響が及ぶことが報告されており、繰り返しパーマをかけることでダメージが蓄積することもあります。
頭皮への影響
パーマ液は薬剤としての刺激性があり、頭皮につくとかぶれやかゆみなどの接触皮膚炎を起こすことがあると報告されています。特に肌が敏感な方や頭皮に傷・炎症がある場合は、刺激を感じやすいため注意が必要です。
一方で、頭皮は皮膚のバリア機能や皮脂分泌の特性から、まぶたや首まわりなどと比べると接触皮膚炎が起こりにくい部位ともされています。過度に不安になる必要はありませんが、違和感を覚えた場合は早めにケアすることが大切です。
AGAや薄毛が気になる人でもパーマはできる?

AGAや薄毛が気になっている方の中には、「パーマをかけても大丈夫なのか」と不安に思う方もいるでしょう。
基本的には可能
パーマそのものがAGAの原因になるという根拠は確認されていないため、AGAや薄毛が気になる方でも、基本的にはパーマを楽しむことができます。ただし、髪や頭皮の状態には個人差があり、薬剤への反応やダメージの受けやすさも人によって異なります。
美容師へ相談するのがおすすめ
施術前に、頭皮の状態や髪のダメージ具合を美容師に伝えておくと、薬剤の種類や施術方法を髪や頭皮の状態に合わせて調整してもらいやすくなります。薄毛や抜け毛が気になっていることを事前に伝えておくことで、負担の少ない施術を提案してもらえる場合もあります。
AGA治療中の注意点
AGA治療中で頭皮が敏感になっている場合や、治療薬の影響で体調に変化がある場合は、無理に施術を行わず、主治医や美容師に相談してから進めることをおすすめします。特に頭皮に炎症や違和感がある状態でのパーマは、刺激を強く感じやすいため注意しましょう。
パーマを楽しみながら髪を守るポイント

パーマによる髪や頭皮への負担をできるだけ抑えながら、施術を楽しむためのポイントを紹介します。
頻繁にかけすぎない
パーマを繰り返しかけるほど、髪や頭皮への負担は蓄積しやすくなります。施術の間隔をあけて、髪や頭皮を休ませる期間を設けることを意識しましょう。
保湿ケアを行う
パーマによってダメージを受けた髪は乾燥しやすくなる傾向があります。トリートメントやヘアオイルなどで保湿ケアを行い、髪の状態を整えることを心がけましょう。
頭皮を強くこすらない
シャンプーの際に頭皮を強くこすると、パーマ液の刺激で敏感になっている頭皮にさらなる負担をかけてしまうことがあります。指の腹を使って、やさしく洗うことを意識しましょう。
ダメージが気になる場合は美容師に相談
施術後に髪や頭皮のダメージが気になる場合は、自己判断でケアを続けるのではなく、美容師に相談することをおすすめします。髪質や頭皮の状態に合わせたアフターケアの方法を提案してもらえます。
よくある質問(FAQ)
まとめ
この記事のポイントを整理します。
- パーマだけでAGAや薄毛になる科学的な根拠は確認されていない
- 髪や頭皮に負担がかかることはあるため、適切な施術とケアが大切
- 抜け毛と切れ毛は異なるものであり、切れ毛を薄毛と勘違いしているケースもある
- AGAが気になる人も、頭皮の状態に合わせてパーマを楽しめる場合が多い
- 気になる症状が続く場合は、美容師や医療機関に相談しよう
「#AGAのウソホント」シリーズでは、このほかにも身近な薄毛の噂について解説しています。あわせてご覧ください。
👨💼 40代サラリーマンのAGA治療体験記ブログまとめ
私のAGA治療の全記録は以下のブログでまとめています。これから治療を始める方はぜひ順に読んで参考にしてください。
参考文献・参考情報
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- Yamasaki, R., et al. (1984). Allergic contact dermatitis to ammonium thioglycolate. Contact Dermatitis, 11(4), 255.
- Duit, I. S., et al. (2019). Depilatory chemical thioglycolate affects hair cuticle and cortex, degrades epidermal cornified envelopes and induces proliferation and differentiation responses in keratinocytes. Experimental Dermatology.
- Contact Dermatitis Due to Hair Care Products: A Comprehensive Review. (2024). Cosmetics, 11(3), Article 78.
- American Academy of Dermatology「10 hair care habits that can damage your hair」
※本記事は上記の公的機関・専門機関の情報および研究をもとに執筆しています。個別の症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

