この記事は「#AGAのウソホント」シリーズの第33回です。 よくある薄毛の疑問を、診療ガイドラインや研究、公的機関の情報を参考に、できるだけわかりやすく解説しています。
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。参考文献・参考情報は最後にまとめて掲載しています。
「プールに入るとハゲるって本当?」そんな疑問を持ったことはありませんか。
プールには消毒のために塩素が使われています。そのため、「塩素が髪や頭皮に悪影響を与えて、薄毛につながるのでは」と心配になる人もいるでしょう。
結論から言えば、プールに入ること自体がAGAの直接的な原因になるとは考えられていません。ただし、塩素によって髪がダメージを受けることはあります。
この記事では、プールの塩素が髪や頭皮に与える影響と、「髪が傷むこと」と「AGAによる薄毛」の違いについてわかりやすく解説します。
- プールに入ることがAGAの原因になるのか
- なぜ「プールに入るとハゲる」と言われるのか
- プールの塩素が髪に与える影響
- 「髪が傷むこと」と「AGA」の違い
- プールで髪を守る方法
- 海水やプール後の抜け毛についての疑問
結論!プールに入っただけでハゲるわけではない

プールの塩素=AGAの原因ではない
プールに入る、塩素に触れる、髪が濡れる——これらの行動そのものが、AGAの原因になるわけではありません。
ただし、塩素によって髪が傷むことはある
一方で、塩素が髪にまったく影響しないというわけでもありません。
塩素によって髪が乾燥したり、傷んだりすることはあります。
詳しくは後の章で解説しますが、ここで押さえておきたい重要なポイントは、「髪が傷むこと」と「AGAによる薄毛」は別の問題だということです。
なぜ「プールに入るとハゲる」と言われるの?

プールには消毒のために塩素が使われている
プールの水を衛生的に保つため、多くのプールでは塩素による消毒が行われています。
塩素で髪が傷むことから「ハゲる」と誤解されやすい
「髪がパサパサする」→「髪が傷んでいる」→「抜け毛が増えた気がする」→「ハゲるのでは」という流れで、誤解が広がりやすいと考えられます。髪のダメージを感じたことが、そのまま「薄毛」というイメージに結びついてしまうのです。
プールの塩素で髪はどうなる?

髪の乾燥やパサつきにつながることがある
塩素は、毛髪の表面を保護している脂質(油分)を溶かす性質があるとされています。これによって髪の水分保持力が低下し、乾燥やパサつきにつながることがあります。
キューティクルがダメージを受けることがある
塩素は髪のタンパク質の結合にも影響を与えるとされ、髪の表面を保護するキューティクルがダメージを受け、切れ毛や枝毛につながることがあります。
カラーリングした髪は特にダメージを感じやすいことも
カラーリングやブリーチなどで髪への負担がすでにある状態だと、塩素によるダメージをより感じやすくなることがあります。
ここで大切なのは、こうしたダメージはあくまで「髪の毛そのもの」に起きている変化であり、「毛根」に起きている変化ではないという点です。この違いは次の章で詳しく解説します。
プールの塩素で薄毛になる?AGAとの関係

ここがこの記事の最も重要なパートです。
AGAの主な原因はプールの塩素ではない
AGAは、DHT(男性ホルモンの一種)が毛包の男性ホルモン受容体に結合することで、遺伝的に影響を受けやすい毛包のヘアサイクルが乱れ、髪が十分に育たないまま抜けやすくなる脱毛症です。この基本的なメカニズムに、プールの塩素は直接関係しません。
「髪が傷む」と「毛根が弱って薄毛になる」は違う
髪の毛(毛幹)と、髪を生み出す毛根を包む組織(毛包)は、別の部位です。塩素によるダメージは主に毛幹(すでに生えている髪の毛そのもの)に起こるものであり、毛包の機能そのものに影響を与えて薄毛を引き起こす、ということとは区別して考える必要があります。
プール後に髪が薄く見える理由
プールの後、髪が濡れて束になったり、髪全体がペタッとなったりすることで、一時的に頭皮が見えやすくなり、「薄くなった」ように感じることがあります。これは実際に髪の量が減ったわけではなく、濡れた髪の状態による一時的な見え方の変化であるケースが多いと考えられます。
プールに入るときに髪を守る方法

ここからは実用的な内容です。
プールから出たら髪を水道水ですすぐ
米国皮膚科学会(AAD)も、泳いだ後はすぐに髪をすすぐことを推奨しています。塩素が髪に残った状態を長時間放置しないための基本的なケアです。
濡れた髪をそのまま放置しない
すすいだ後はタオルドライを行い、必要に応じてドライヤーで乾かしましょう。濡れたまま長時間放置すると、髪への負担が大きくなることがあります。
髪をゴシゴシこすらない
タオルドライの際に強くこすると、摩擦によって髪がさらに傷むことがあります。やさしく水分を拭き取りましょう。
トリートメントなどで保湿する
塩素によって失われた髪の水分・油分を補うため、コンディショナーやトリートメントで保湿することもすすめられています。AADも、水泳用のシャンプーやディープコンディショナーの使用を推奨しています。
プールに頻繁に入る人は髪の状態をチェックする
「プール=危険」というわけではありません。プールに入る頻度が高い人は、自分の髪の状態に合わせてケアの頻度や方法を調整することが現実的な対応になります。スイムキャップの着用も、髪への負担を減らす方法のひとつです。
プールの後に抜け毛が増えたらハゲのサイン?

ここは不安を感じやすいポイントです。
シャンプー時に抜け毛が多く見えることもある
プールの後にシャンプーをすると、すでに抜ける状態になっていた髪がまとめて落ちるため、抜け毛が多く感じられることがあります。
1日の抜け毛には自然な範囲がある
健康な人でも、髪は毎日一定量自然に抜けています。抜け毛があること自体は、異常なことではありません。
抜け毛だけでAGAとは判断できない
抜け毛の本数だけを見て、AGAかどうかを判断することはできません。髪の太さや生え際、頭頂部の変化なども含めて、総合的に見ることが大切です。
詳しくは「抜け毛は1日100本までなら大丈夫って本当?」の記事でも解説しています。
気になる場合は専門機関に相談する
「プールに入った後に抜け毛が増えた気がする」というだけで、すぐにAGAと結びつける必要はありません。ただし、気になる変化が続く場合は、皮膚科やAGAを診療する医療機関に相談することも一つの選択肢です。
早めに専門医へ相談したい方へ AGAは進行性の脱毛症であるため、気になるサインがあれば早めに専門クリニックへ相談することが大切です。最近では、通院の手間が少ないオンライン診療を選ぶ方も増えています。料金や特徴を比較しながら検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
海水でもハゲる?プールとの違い

海水でも髪が傷むことはある
海水も、塩分によって髪の水分バランスに影響を与え、乾燥やパサつきにつながることがあると考えられています。
紫外線も髪のダメージに関係する
海やプールなど屋外での活動では、紫外線も髪への負担になります。
米国皮膚科学会(AAD)は、紫外線が髪のタンパク質を分解し、色の変化や乾燥、パサつき、切れ毛、つやのなさにつながることがあるとしています。特にメラニン色素の少ない明るい髪は、紫外線の影響を受けやすいとされています。
海に入った後も真水ですすぐのがおすすめ
プールと同様、海水浴の後もできるだけ早めに真水で髪をすすぐことがすすめられます。塩分や砂などが髪に残った状態を長く続けないことが、髪への負担を減らすポイントです。
プールに入るとハゲる?よくある質問
まとめ|プールに入っただけでハゲるわけではない
この記事のポイントを整理します。
- プールに入ること自体がAGAの直接的な原因になるわけではない
- 塩素によって髪が乾燥・ダメージを受けることはある
- 「髪が傷むこと」と「AGAによる薄毛」は別の問題
- プール後は真水ですすぎ、髪を適切にケアすることが大切
「プールに入ったからハゲる」と必要以上に心配する必要はありません。ただし、抜け毛や生え際・頭頂部の薄毛が気になる場合は、プールとは別にAGAの可能性も考えてみましょう。
「#AGAのウソホント」シリーズでは、このほかにも身近な薄毛の疑問について解説しています。あわせてご覧ください。
👨💼 40代サラリーマンのAGA治療体験記ブログまとめ
私のAGA治療の全記録は以下のブログでまとめています。これから治療を始める方はぜひ順に読んで参考にしてください。
参考文献・参考情報
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- American Academy of Dermatology「Must-try summer hair care」
- American Academy of Dermatology「10 hair care habits that can damage your hair」
- NCBI Bookshelf「StatPearls: Anatomy, Hair Follicle」
※本記事は、公的な診療ガイドラインおよび公表されている研究を参照して執筆しています。個別の症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

